1101.幸福度(2023.1.2掲載)
ジャーナリストの三神万里子氏が、「幸福度を指標に商品を作れ」と新聞紙上で語っていた。 モノやサービスが売れないのは、組織目線の豊かさと、個人の幸福感がずれているからだ。モノが溢れても幸福にはなれず、尊敬もされない。成長とは消費ではないのだと。 ただ、幸福度で国力を上げたブータンも、最近では他国の情報が多く入るようになって隣の芝生が青く見え、幸福度は急落している。要するに、幸せは自分の心が決めるということだ。 ここで、物事を前向きにとらえる「ポジティブ哲学」を信条とする哲学者、小川仁志先生の「三大幸福論のすすめ」を参考にしてみた。アラン、ラッセル、ヒルティの幸福論を読めという教えである。 アラン…物事を深く考えた上であえて明るく振る舞う楽観主義。「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである」「幸せだから笑っているのではない。笑うから幸せなのだ」。 ラッセル…好奇心や興味を持ち、好きなことに没頭せよ。「愛情を受ける人は、大まかに言えば、愛情を与える人でもある」。 ヒルティ…働くことで得られる喜びこそが幸福をもたらす。「いくぶん逆説的に言えば、不幸は幸福のために必要だ」。 なるほど、先が見えない時代だからこそ、全て前向きにとらえるしかない。 これから世に送り出す新商品も、幸福度を指標に評価してみようと思う。食卓や職場や社会を前向きに明るく幸せにする商品が必要とされているのだ。 三神万里子氏はこう締めくくっていた。 「人々の幸福とは何か。今後は、これを考え抜いた商品だけが生き残りそうだ」 生き残りをかけて、初春は幸福について考え抜く所存である。
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