1112.研修の干し柿(2023.3.20掲載)
新入社員研修で必ず聞く質問がある。 「もし明日地球が滅亡するとしたら、最後の晩餐に何を食べるか」 この質問の要諦は、即答できるメニューを持っているかどうかということ。不意に聞かれてもすぐに出てくるメニューはいつも食べたいと願っているメニュー。 研修的には仕事に置き換えて、流れ星が流れる間に3回語れるほど思い続ける願いなら、たいてい成就するということにつなげる。 私の最後の晩餐は、誰に聞かれても「干し柿」と即答するから願いは叶い、毎年300個前後の干し柿にありつける。ただ、あれば食べてしまうから300個なんてあっという間になくなってしまう。 そこで、干し柿の長期保存法の出番。 1個ずつラップで包んで冷凍すれば、いつまででも日持ちする。夏の夕暮れ、蝉しぐれを浴びながら季節はずれの干し柿を堪能することだってできるんだ。 こんなドリームを描いてラッピングに精を出したが、次の日から、そのラップを1日に3個ずつはがすという非生産的作業に従事し、夏の夕暮れどころか、干し柿に桜を見せてやることすらできないのだ。 とにかく干し柿なら何でもいい。ブランド物の「あんぽ柿」でも田舎の軒先の手作りでもすべて受け入れる。 勢い余って正月のお供えの干し柿にまで手を出してしまい、日持ち向上のための酸味料で口が酸っぱくなってしまうことだってある。 「そうだ、どんな仕事でも好きになれば成果は上がるんだ」 というコメントで研修を締めくくる。 ついでに、好きになった人なら寝ぐせがついてたって、変な顔だってかまわない。それが好きということ、と付け加えたりして。 今度、最後の晩餐を共にする人が思い浮かぶか聞いてみようと思う。
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