1114.機嫌がいい人(2023.4.3掲載)
最近、時代劇チャンネルの「座頭市物語」にハマっている。 1974年10月から75年4月まで、フジテレビで毎週木曜日の夜8時から放送されていた座頭市物語。 小学5年生だった私はなぜか座頭市にはまり、毎週テレビにかじりついていた。全26話が終了すると同時に「再放送してほしい」とファンレターを書き、勝新太郎さんが歌う主題歌「おてんとさん」のドーナツ盤を買った。 そして、50年ぶりに映像を見て驚いた。 「これは、映画だ」 カメラワーク、音楽、ロケーション。そして、毎回ゲストで登場するスターたち。津川雅彦、北大路欣也、石原裕次郎、朝丘雪路、藤田まこと…。この番組に金をかけすぎて勝プロがおかしくなったという話は、事実に違いない。 そんなこだわり映像をテレビで流すのだから、勝新さんの余裕はすごい。 ある番組で、勝新さんがこんなことを語っていた。 「巷のサラリーマンたちは、1万円払って10万円分遊ぼうとするからカッコ悪い。俺は、10万円払って1万円分だけ楽しめばいいと思っているからモテるんだ」 これも余裕。遊びも仕事も映像も、余裕があるところに人は引き付けられるのかもしれない。 このことは、今、勢いのあるドラッグストアの食品売場にもあてはまる。 ドラッグストアは、売り上げの40%前後を占める薬と化粧品で利益を稼ぐから、食品は薄利でいい。また、肉、野菜、魚という生鮮3品を扱わないから廃棄のリスクはないし、バックヤードも不要だから建築費も安い。 このへんの余裕がスーパーにはない。 余裕に後押しされ、ドラッグストアの食品比率はどんどん上昇している。 タレントの杉村太蔵さんが「機嫌がいい人のところに人が集まる」と語っていたが、お店も人も余裕があるからご機嫌で、人が集まるかもしれないと思うのである。
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