1122.小梅ちゃん(2023.5.29掲載)
小学校4年生の時、愛媛県立博物館が主催する「自然科学教室」というフィールドワーク中心の勉強会に参加していた。 毎月バスに揺られて山中を駆け回っていた。動植物を観察したり、化石を掘ったり、結構ハードな日帰り研修だった。 昭和40年代のでこぼこ山道でバスに揺られても乗り物酔いはしなかったが、なぜか当時新発売の「小梅」を口にするとゲロってしまうという怪現象が発生した。 小梅は、昭和49年にロッテから発売された甘酸っぱい梅味のキャンデーで、いまも発売されているロングセラー商品。 パッケージキャラの小梅ちゃんは明治生まれの15歳で、東京は小石川の出身。名門、綾小路家の一人息子「真」に淡い恋心を寄せているという設定らしいが、どうして小梅でバスに酔ってしまったのか。 以前、NHKのバラエティ番組で乗り物酔いの原因調査を行った結果を発表していた。睡眠不足、空腹、読書、排気ガスやタバコの臭い、「酔う」と考えた、映画を見た、姿勢が悪かった、甘いジュースを飲んだ、デジタル系のゲームをした、雨だったという順。小梅はない。 また、ある医療機関で乗り物酔いの経験がない20代の250人を対象に、乗り物酔いを起こす実験を行っている。 その結果、3時間睡眠、空腹、読書、バスの8の字走行+急発進という条件が重なると、87.5%の人が乗り物酔いを起こしたという。ここにも小梅はない。 小梅ちゃんの美貌に酔ったのかもと思ったが、パッケージに小梅ちゃんキャラが登場したのは昭和57年で新発売の8年後。原因は、いまだに謎のままである。 乗り物酔いは10代半ばでピークを迎え、その後は減少。40代で再び増加に転じるらしい。 いくつになっても小梅には要注意なのである。
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