1127.自分ごと(2023.7.3掲載)
最近、知人が独立してコンサル会社を起業したのだが、経営者として当然の壁に激突し、「ビジネスは本当に難しい」と懊悩を吐露する電話をかけてきた。 当然ながら雇われ者の小生に当を得たアドバイスができるはずもなく、最近目にしたビジネス書のエッセンスを3件伝授して、復活の兆しを掴んでもらった。 その1.セブン&アイ・ホールディングスの故伊藤名誉会長の悩み 商売の基本は、「お客様は買ってくださらないもの」「取引先は売ってくださらないもの」「銀行は貸してくださらないもの」と考えるべき。 だから商売が本当に好きでないと続かない。また、規模が大きくなると物事を「お金の物差し」で考えてしまいがちだが、常に「人の物差し」で考えよ。お客様と社員とお取引先を大事にするべし。 その2.人を動かすために「自分ごと」で考えるという博報堂の指南 人を動かすヒントは「他人ごと」ではなく「自分ごと」で考えること。 親が子の立場で、上司が部下の立場で、社長が社員の立場で、企業が生活者の立場で考える。あたりまえの話だが、相手自身にとっての「自分の視点」で見ることがポイント。 その3.サラリーマン根性との決別という商工会議所のささやき ビジネスマインドは「結果」を重視、サラリーマン根性は「過程」を重視。 ビジネスマインドは「報酬は成果の対価」、サラリーマン根性は「報酬は労働の対価」。ビジネスマインドの塊であるオーナー経営者と、サラリーマン根性に毒されている社員との溝を埋めるには、「会社は自分たちがつくる」という主体的な意識を社員が持ち続けること。 かつて、植木等が「気楽な稼業」と唄ったサラリーマン根性を捨て去り、艱難辛苦の商人道へとステージを移した件の知人は、「コピー用紙1枚のコストを考えて行動している」と言い残して電話を切った。 数字の全てが「自分ごと」なのだと思った。
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