118.玩具菓子(2003.05.12掲載)
いま、教育テレビで「サンダーバード」の再放送をやっている。小学1年の時、初めて買ってもらったプラモデルがサンダーバード2号だったりするので、すごくなつかしい。なつかしいだけじゃなく、現在でも十分鑑賞に堪えるところがすばらしい。とても38年前の人形劇とは思えないディテール(特にバージル・トレーシーが操縦する2号の発射シーンは秀逸)。日本だと、ウルトラマンや仮面ライダーのファスナーなんかが漫才のネタにされたりするが、その類のすきがまるでない。 ウルトラマンといえば、全盛期にハリウッドで映画化の話があったらしい。しかし、ミーティング時に米側スタッフから出た「シルバーに赤ラインのウルトラマンのコスチュームは、皮膚か服か?」という質問に円谷プロが答えられず、これがきっかけで映画化を断念したという話を聞いたことがある。こだわるなぁ。やはり娯楽ではアメリカさんに勝てないよ。 それなら食品業界の娯楽で勝負。いま流行のこだわりおまけフィギアはどうだ。これらは「玩具菓子」と呼ばれる食品市場に分類され、その規模約600億円。マヨネーズや梅干しに匹敵する巨大市場なのである。おまけの元祖グリコは「コメッコ」の魚介類フィギアを展開し、「チョコエッグ」をヒットさせたフルタ製菓は動物、戦闘機、昔の乗り物シリーズを拡充。カネボウフーズは大リーグのボブルヘッドフィギア(首振り人形)。こんな感じだから、1体約15万円前後でフィギア作りを請け負う「原型師」と呼ばれる人たちが引っ張りだこらしい。 フィギア目当てにお菓子を買う…。ライダーカード目当てに仮面ライダースナックを買っていたあの頃から、食品の添え物的ポジションは変わっていないのか。ちょっとだけ寂しくなる玩具菓子なのである。
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