119.六本木より丸の内(2003.05.19掲載)
どうやら六本木とは相性が悪いようである。 今から16年前、上京したての勢いでわけもわからず夜の六本木へ。同郷の友人とその知人女性2人の計4人でディスコ「トゥーリア」へ行くも、いわゆる「服装チェック」で門前払い。Wデートでカッコつけたつもりが大恥をかいてしまった。しかし、トゥーリアはその数週間後に天井のシャンデリアが落下して死傷者が出るという事件を起こし、廃業となる(当日、巨人軍の桑田選手もいたらしい)。あぶなかった。 今から10年前、東京にも慣れた頃、とあるイケイケ系おねえちゃんと六本木デートを企画。「どこでも連れてってやるから言ってみな」と豪語したまではよかったが、そのおねえちゃん、実はかなりの六本木通。マニアックなお店を2、3軒提示され、うろたえるばかり。結局、「使えないやつ」との烙印を押され、終電2時間前にゲームオーバー。東京在住20年の知人曰く、「デートで相手に行きたい場所を聞いてはいけない」。なるほど。 今から10日前、ヒルズヒルズと騒がしいので六本木ヒルズを覗いてみた。2週間で300万人もやって来たらしいが、広いだけでちっともおもしろくない。東京ドーム8個分の広さと言われても、レモン8個分のビタミンCみたいな栄養があるわけでもなく、カッコつけて標識なんかも少なめだから、足が棒になるばかり。小さくまとまった丸ビルの方がはるかにいいと思った。丸ビルだって3ヶ月間で710万人の来場だし、丸の内という場所もサラリーマンには違和感がない。 まぁ、コンセプトはいろいろあると思うが、この手の都市再開発型空間は、アパレルショップと飲食店の集合体なわけだから、大きいことに意味はないと思う。が、せっかく来たのだからと超有名寿司店の暖簾をくぐってみた。 「お昼は15000円のおまかせコースのみになります」 「げげっ、また来ます」 やっぱり六本木とは相性が悪いようである。
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