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私の親友に岡田さんというナイスガイがいるが、オカダ酸という貝毒のこともよく知っている。 オカダ酸は一見悪役だが、細胞の自殺「アポトーシス」を促進する働きがあり、抗がん剤としての効果も期待されている。 ちなみにオカダ酸は岡田さんという生物学者が発見した海綿(自らの名前を冠している)から得られた化合物である。 このように、新しく発見した化合物、化学反応、生物種に自分の名前を入れるのは研究者の夢である。しかし、新規化合物の場合は、それが存在している素材の名前を付ける場合が多い。 例えば、ヒノキの抗菌成分はヒノキチオール、ショウガの辛味成分はショウガオール、タデの苦味成分はタデナール等々。 そこで、化学者としてどうしても私が取り出して名前を付けたい化合物がある。それは、元ジャイアンツの清原さんに存在している「少年の心化合物」。いつまでもやんちゃな野球少年には、きっと「少年の心化合物」があるはずなんだ。 やんちゃだけではないぞ。先日、徳光アナのロングインタビューを受けた清原さんがこんなことを語っていた。 「プロ1年目の4月、高校時代は難なく打っていた140キロの球が、なぜか打てない。その投手が試合後、家族と一緒に球場を後にする姿を見てわかった。家族を養っている投手の140キロは違うんだと。それがわかってからは、打てるようになった」 晴れてこの化合物の抽出に成功したあかつきには、少年の心化合物「キヨサン」と命名したいのである。
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