125.ロイヤルの心意気(2003.06.30掲載)
日経流通新聞が、2003年上期のヒット商品番付を発表した。東の横綱は不在で、西の横綱はメジャーリーグ。松井効果で観戦ツアーやユニフォーム販売が絶好調。大関は東が17年の歳月と5000億円の巨費を投じたご存じ六本木ヒルズで、西が松下電器のハードディスク付きDVDのDIGA。どれもちまちました不況風を吹き飛ばすパワフル商品である。 この番付で上位に登場する食品は、前頭二枚目の芋焼酎とノンアルコールビール。どちらも当コラムで取り上げたネタというところが少しうれしい(90号、106号)。そこで、さらに強力な食品ネタとして前頭五枚目あたりの富士桜的ポジションに、「ロイヤルホストのファミ・コン言葉禁止令」を推挙したい。 ファミ・コン言葉とは、ファミレスやコンビニのアルバイトたちが多用する耳障りで変な丁寧語のこと。「こちら〜になります」「〜でよろしかったでしょうか」「1000円からお預かりします」「おタバコの方、お吸いになられますか」「〜様でございますね」。どこで習ったんだ、そんな日本語。美しき我が日本のことのはを冒涜する不届き者っ。 ロイヤルホストはそんなオヤジのぼやきに応えてくれ、5つの禁止後とその正しい言い方を全国370店の従業員食堂に掲示してくれたのだ。すごいぞロイホ。さすが博多っ子企業!ちなみに、前述の禁止後の正しい言い方は、「お待たせしました。〜でございます」「〜でよろしいですか」「1000円、お預かりします」「おタバコは、吸われますか」「〜様でいらっしゃいますね」となる。 数ある外食産業の中で、今、最も勢いのあるロイヤルグループ。「業績は体質のあらわれ」とよく言うが、こんな細かな配慮が833億円の売り上げを支えているのかもしれない。グループの中で特におすすめのショップは、ミセスエリザベスマフィン。36種類のオリジナルマフィンの中から常時12種類を焼きたてで提供してくれる。全国に6店舗しかないが、羽田、伊丹両空港と東京駅にあるので便利。 出張帰りのおみやげに、そっと1000円札を出してみてはいかが。
|
column menu
|