126.野菜記念日(2003.07.07掲載)
プライベートの会合で、とある食品メーカーの30代御曹司と話す機会があった。生まれた時からお手伝いさんが2人いて、通学の足はメルセデス。絵に描いたようなハナワくん的ブルジョア階級。話を合わせるのに苦労した。 クルマ、ブランド、ヨットなどの話題を避け、無難な時事ネタで盛り上げているうちはよかったが、仕事柄食ネタは避けて通れない。高級グルメ話をかわそうと持ち出した自身の食生活ネタが暴走し、結果、自爆した。 自爆1.祖父母と同居していた私の家は、古典的和食生活で外食もなし。小学校1年の給食で初めて目にしたクリームシチューが理解できず、おのこりの教室で泣きながら完食しました。 こんな涙味ストーリーも、クリームシチューが味噌汁代わりだった御曹司には通じず、ちょっと引かれる。 自爆2.果物はやっぱり流し台でかぶりつきですよ。口のまわりに種なんか付けて、シャワシャワ動物のように頬張るの最高!しかし、ナイフとフォークでメロンをいただく御曹司、「台所に入るとお手伝いさんにしかられたんですよ」と顔が曇る。 自爆3.フルーツサラダは果物だけ取り出して最後に食べちゃいます。野菜は食事、果物はデザート。果物が貴重だった時代の名残か、野菜と果物を一緒に食べられない私です。 このネタは少し気に入ってもらえたみたいで、「その気持ち分かりますよ」。御曹司の会社は野菜ジュースを製造しており、商品設計時に野菜と果物のブレンドでよくもめるらしい。飲みやすさ優先ならブレンド、健康訴求なら野菜のみ。 2001年の1500億円をピークに減少に転じた野菜ジュース市場。アミノ酸を入れたり葉野菜だけを使用したりと試行錯誤が続いている。フルーツサラダの缶詰ミカンを最後に食べる私としては、野菜単体がいいな。 後日、御曹司から野菜ジュースが1ケース送られてきた。飲みやすいようにレモン果汁が配合されていた。 庶民の小ネタも世界が違えば引かれてしまうことを学んだ1日であった。
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