157.野菜の戦士(2004.2.23掲載)
本稿155号「イソフラ天国」の項で、日本の女性が美しいのは大豆のおかげであるという米国人研究者の言を紹介した。それじゃ、韓国の女性が美しいのはなぜなんだという強引なコペルニクス的展開で、韓国食文化の真髄を調べる旅に出かけたのであった。 滞在中は地元韓国人の協力を得て、できるだけ普通の韓国人が普通に訪れる外食店を教えてもらい、日常的メニューを食べまくった。3日間で12メニュー。総額15万ウォン。達した結論は、「野菜の大量摂取」だった。 メインの料理は肉もあれば魚もある。味付けは牛肉ベースに唐辛子、味噌仕立てや煮干しだしを効かせたものなんかもあったりしてさまざま。ところが、どの店でどんなメニューを食べても、結果的に野菜を大量に摂ることになる点は共通していた。 それは、キムチやナムル等の漬物系野菜がどこの店でも最初に十数皿出てくるから。他にほうれん草、大根、キュウリ、ゼンマイ…。のりやドングリなんかもあった。そして全部無料。注文したメニューに関係なく必ず出てくる野菜類。とりあえず食べちゃうから、焼き肉を食べに行ってもこれらの野菜でほとんど満腹。日本のファミレスランチに申し訳程度についてくる味気ないサラダと違い、漬け込んでいるから摂取できる絶対量が多いのだ。 ソウル市内に数百店あると言われる日本風のうどん屋さんでも同じだった。意中のうどんをオーダーする前に、キムチを含む8皿の漬物野菜たちがテーブルを埋めてくれた。 厚生労働省は、野菜を1日350g摂るように推奨している。韓国人女性は余裕でクリア。日本人女性は遙か及ばず。ここに着目し、大塚製薬は175g分の野菜を摂取できる乳酸発酵野菜ジュースを発売した。まさに漬物は乳酸発酵。コンセプトは完璧。 野菜の戦士は、韓国に学んだ野菜ジュースの商品名なのである。
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