184.まんじゅうダイエット(2004.9.6掲載)
先日、久しぶりに実家に行くと父親がスリムになっていて、「まんじゅうダイエッ トで10キロの減量に成功したぞ」と豪語していた。これは新ネタになるかもと意気 込んで話を聞いたのだが、単に好物のまんじゅうを我慢しただけだった。 本人は、「戦中派にとって、まんじゅうの誘惑を断ち切るのはかなりキツイ」と 語っていたが、仏壇のまんじゅうを毎日5、6個つまんでいたのだから、ご利益を考 えてもまんじゅう断ちは正解だと思う。 そんな仏壇まんじゅうの最大手が、愛媛県西宇和郡にある。従業員数695名、売 上高94億円の「あわしま堂」。同社は、スーパーの仏壇まんじゅうコーナーを一手 に牛耳り、バナナまんじゅう、栗まんじゅう、どら焼き、大福、桜もちなどのアン ニュイな和菓子を単品で供給するニッチ企業。1時間に1万個のどら焼きが生産可能 な製菓ラインをフル稼働させ、日本一の仏壇まんじゅうメーカーになったのだ。 ところで、あわしま堂の肩を持つわけではないが、まんじゅうは結構ヘルシーなお 菓子である。特につぶあんがいい。鉄分がほうれん草のおひたし一人分の約2倍、ポ リフェノールや食物繊維だって多く含まれている。さらに、聞くところによると、ア ンパンマンの顔の中身はつぶあんだと言うではないか。やっぱりつぶあんは正義の味 方なんだ。 まんじゅう断ちでダイエットに成功した父は、その後、第2の好物である甘酒断ち を敢行し、さらに標準体重に近づきつつある。 ついつい余分に食べてしまう好物を断つという意味で、「まんじゅうダイエット」 も一つの戦略かなと思った。
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