195.サプリな名前(2004.11.22掲載)
コエンザイムQ10が欠品状態である。作っても作っても足りないらしい。 持久力向上や疲労回復に効果があるとされるコエンザイムQ10は、1974年以降医薬品として使用されてきたが、2001年に食品扱いとなりサプリメント市場にデビュー。健康情報番組での告知効果もあって、一気に市場に浸透した。私も毎日飲んでいる。 そして、次に控えしは2002年に食品扱いとなったL−カルニチン。これにも疲労回復効果がある。おまけにコエンザイムQ10と一緒に飲むことで効果倍増。実験用ラットがバテることなく泳ぎ続けたというデータが発表されていた。私も毎日飲みたい。 このように、これまで医薬品扱いだった成分が次々と食品になり、約5000億円といわれるサプリメント市場は急速に膨張しているのだ。 しかし、薬品から食品に転向することによるデメリットが1つだけある。それは、効果効能を謳えないこと。「コエンザイムQ10」「L−カルニチン」といった物質名のアピールはいいが、「疲労回復に効果あり」とか「肝臓に効きます」なんて表現は薬事法違反になってしまう。けど効果は伝えたい…。そんな葛藤の結末として、いま、サプリメントの商品名が連想ゲーム的ユニーク発想のワンダーランドと化している。 「サラサラヘルプ」「男精ヘルプ」「アレル気サポート」「楽節サポート」…。それぞれ何をアピールしているか連想できるだろうか。ちなみに「サラサラヘルプ」は、ナットウキナーゼ、DHA、EPAの血液サラサラ効果を商品名として凝縮したものである。 ところで最近、DHA、EPAの新たな機能が報告された。なんとそれは自殺予防。自殺未遂患者の血液には、DHAとEPAが少ないというデータからの推測らしい。物騒な効能だが、商魂たくましき業界だけに「前向きヘルプ」「ポジティブサポート」なんてネーミングの商品が棚に並ぶ日も近いかもしれない。 サプリな名前から目が離せないのである。
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