215.業績は体質の結果である(2005.4.18掲載)
先日ある雑誌で、平均年収が1000万円以上の東証1、2部上場企業ランキングが紹介されていた。1位はフジテレビで1529万円(平均年齢39.8歳)、2位は東京海上の持ち株会社ミレアホールディングスで1507万円(同42.0歳)、3位は日本テレビで1482万円(同39.4歳)。他に、4位TBS、6位テレビ朝日、13位テレビ東京、14位ニッポン放送と、放送業界が上位を独占。どうりで平均年収501万円のライブドアに狙われるのが怖いはずだ。 ところで、このランキングでは28位までが平均年収1000万円以上であるが、日本一儲ける企業トヨタは100位にも入ってない(822万円・36.9歳)。だから利益が1兆円を超える。渋いから金が貯まる。業績は体質の結果なのである。 そこで、業績は体質の結果であることを痛感した話を3つ。 まず、大手コンビニの話。この会社、売上高2兆円という巨大企業であるにもかかわらず事務所は地味で、天井の蛍光灯1個1個にひも式のスイッチが付いている。また、新しいボールペンは、インクのなくなった古いボールペンを見せないともらえない。飽くなき低コスト体質が、経常利益1700億円という業績につながっているのだ。 次に20年前、私のサッカー部時代の話。ある時、県内最強といわれたY高校と試合をした。試合終了後、我が校は控え選手がグラウンド整備をしたのに対し、Y高校は試合を終えたばかりのレギュラー組がトンボを引いた。レギュラー自ら手本を示す体質が、県内最強という実績につながっているのだ。 最後に、ウルトラマンの話。かつて、ハリウッド映画でウルトラマンを撮影する話があった。打ち合わせの際、ハリウッド側から「ウルトラマンのコスチュームは服か皮膚か?」という質問が出たのだが、円谷プロはこれに答えることができず話がこじれ、結局ロスの空をウルトラマンが飛ぶことはなかった。細部にまでこだわるハリウッドの体質が、映画産業の繁栄という結果につながっているのだ。 業績は体質の結果である。が、収入は多い方がいい。食品企業が前述のランキングに入る日を願うばかりである。
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