228.できない理由(2005.7.19掲載)
日経流通新聞が2005年上期のヒット商品番付を発表したが、またしてもランクインする商品を作ることができなかった。食品では、東の前頭に「第3のビール」「スープカレー」「健康志向アイス」、西の前頭に「ジンギスカン」「ジュエリーチョコ」「ホッピー」。第3のビール以外は勝てそうなものばかりなのだが…。 ヒット商品なんて簡単にできるわけがない。とは言うものの、先日某大学の講師を引き受けて「社会人概論」をぶちまけた際、「できないを打破する3つの方法」なんて大それた講釈をしたばかりだけに、開き直るのはちょっと恥ずかしい。以下はその講義録。 … 学生諸君!いかなる状況においても「できない」理由は次の3つに集約されるのだ。それは「目的がない、手段がない、やる気がない」。つまり逆に考えれば、この3つが満たされれば、できる条件は整うはず。そこで、「目的、手段、やる気」を「目標設定、裏技習得、発想鍛錬」と置き換えて考えてみよう。 まず目標設定。運動場に白線を引く時、足元ばかり見ていたのではまっすぐな線が引けないのと同じで、ある程度の距離の所に誰が見てもわかる大きな目標を置かなければ人は迷走してしまう。がむしゃらに走れる大きな目標を持とうではないか。ちなみに、高速道路の目的地案内は一般道よりでかいのだ。 次に裏技習得。自分一人の力で合格点さえ取ればよい学生と違い、社会人は集団の力で百点以上の結果を出さなければならない。ポイントは一人じゃないということ。ギブアンドテイクで他人の力を借りつつ、その集団で主役になるのが裏技の第一歩。ちなみに、職場では意思決定をする人が主役になるのだ。 最後に発想鍛錬。以前、高校生の物理研究で、「テントを張る杭は地面に垂直に打て」という作品が大賞を受賞した。「杭は斜め打ち」というキャンプの常識を覆した高校生は、自分の発想が認められてやる気を出し、物理学者を目指した。ちなみに、やる気とは好きなことを結果が出るまでやり通す心のことだ。 社会人になったら「できない」は禁句だぞ、学生諸君! … やっぱり恥ずかしい。 大口を叩くのは、ヒットを飛ばしてからにしようと思った。
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