248.43歳のハローワーク(2005.12.12掲載)
村上龍氏の名著「13歳のハローワーク」が出版後2年を経てもなお売れ続け、113万部を突破。全国8000校以上の小、中、高等学校で教材として採用され、悩める10代の将来を明るく照らすバイブルとなっている。 著名人たちの推薦コメントがイカしている。 「全く新しいアプローチで働くことをとらえている。人生にとっての仕事の意味が変わる革命的な一冊だ」石原慎太郎氏 「ページをめくると、学校の通知表には出てこない『能力』が次々に登場する。そして『働くことって面白い!』と、おとなも子どもも夢中になる。この本は、世界で一番リアルなファンタジーだ」重松清氏 もし、自分が13歳の時にこの本を手にしていたなら、どんな職業を目指しただろうか。「歴史学者になりたい」とただをこねる私。「歴史でメシは喰えん。一番好きなことは趣味にしろ」と恩師。あの日の放課後が、私にとってのハローワークだったのか。 センチな話はさておき、ここに「43歳のハローワーク」を企画する。43歳は、実社会の辛酸と表裏をひと通り経験した日本人の平均年齢である。 収入編。上場企業社員の平均年収ランキングを紹介する。1位フジテレビ(1567万円)、2位朝日放送(1525万円)、3位日本テレビ(1462万円)、4位TBS(1443万円)。テレビ局がIT企業との経営統合を恐れるのも無理はない。楽天は255位(575万円)、ライブドアは407位(501万円)なのだから。ちなみに食品企業は、75位の日清製粉(906万円)がトップ。 さらに、職業別の平均年収は、弁護士2101万円(2万1185人)、開業医2086万円(6万9936人)、パイロット1713万円(2900人)、税理士1266万円(6万8135人)、大学教授1153万円(4万4080人)、高校教師741万円(7万9710人)、スチュワーデス655万円(5890人)、国家公務員628万円(110万9000人)等々。 寿命編。郡山女子大の森教授の調査によると、職業別寿命ランキングは1位宗教家、2位実業家、3位政治家、4位医者となっている。長く現役を続けられる仕事であることが共通点か。 また、画家と生物学者が一番長生きするという説もある。お絵かきと昆虫採集。いつまでも少年の心を持ち続けていることが肝要。 43歳にして職業を再考する。収入、寿命、少年の心。自分の立ち位置を再確認するハローワークなのである。
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