252.アキバ系食品(2006.1.16掲載)
平成17年度の食品ヒット大賞は、キリンの「のどごし<生>」が受賞した。 またか、という感じである。 過去10年間の食品ヒット大賞受賞商品を見てみると、キリンが4回(のどごし<生>の他に、氷結、アミノサプリ、生茶)、サントリーが3回(伊右衛門、マグナムドライ、スーパーホップス)、アサヒ(本生)とサッポロ(ドラフトワン)が各1回と、ほぼビールメーカーの独占状態。「食品ヒット大賞」というより「飲料ヒット大賞」状態なのだ。 ビールメーカーの新商品戦略は、まさにパワープレー。自動車や化粧品と肩を並べる大量のCMを投下しつつ、大量のセールスマンが酒販店や量販店をフォローする。そんな反則技的販促活動をやられたら、われわれ中小メーカーは全く相手にならない。 では、どう対抗するか。 このヒントは、ハリウッド映画に対抗する日本映画にあるような気がする。 まず、2005年9月にJCBカードが募集した「心に残る思い出の映画」ベスト10を紹介する(参加人数8510人)。 1位「タイタニック」、2位「スター・ウォーズ」、3位「ローマの休日」、4位「サウンド・オブ・ミュージック」、5位「トップガン」、6位「ニュー・シネマ・パラダイス」、7位「ゴースト ニューヨークの幻」、8位「ショーシャンクの空に」、9位「ゴッドファーザー」、10位「アルマゲドン」。 どうだ。「ニュー・シネマ・パラダイス」以外、全てハリウッド映画ではないか。しかし、こんなパワープレーに負けじと、邦画も最近元気がいい。「千と千尋の神隠し」「電車男」「蝉しぐれ」…。そう、勝機はアニメ、オタク、時代劇。これぞ日本映画の生きる道。 時代劇を強引に「コスプレ」と考えれば、この3つのキーワードは、そのまま世界に名だたる観光スポット「秋葉原」のコンセプトと一致する。つまり、日本映画に勝ち目ありなのだ。 では、この成功事例を食品にどう活かせばいいのか。 中小メーカーがパワープレーなしで食品ヒッと大賞を狙うには、ズバリ、オタク食品である。秋葉原の主役は大手電機メーカーではなく、オタク個人。つまりはこだわりの深さ。資金力は関係ない。では、食品での具体策は…。 アキバ系食品の市場調査開始、なのである。
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