265.イチゴ白書(2006.4.17掲載)
イチゴとキウイには意外な共通点がある。それは、みかん農家起死回生の転作ホームランだということ。 かつて、一家団らんの象徴だった、こたつの上のみかんであるが、家族の崩壊とともに茶の間から姿を消し、みかん農家は見切りをつけた。 そして、みかん王国静岡県はイチゴとキウイに賭け、どちらも全国シェア6%で仲良く第4位となったのだ(イチゴ12000t、キウイ2400t)。 さらに、イチゴとキウイにはどちらもビタミンCとカリウムが豊富という共通点がある。100g中のビタミンC含量は、イチゴ62mgでキウイ69mg。カリウムは170mgと290mg。 こんな仲良しのイチゴとキウイであるが、やっぱりキウイはイチゴに勝てないよ。全生産量もイチゴ20万tに対してキウイは4万t。イチゴショートはあるけどキウイショートはないし、外見だってキウイは地味。マニアックなところで1個あたりの廃棄率の違いなんてのもある。イチゴは廃棄率2%で捨てるとこなし。キウイは15%で歩留り悪し。 品種名を並べてみる。イチゴ=豊の香、栃乙女、章姫、幸の香、甘王…。ポエムですねぇ、メルヘンですねぇ。キウイ=ヘイワード、ブルーノ、アボット、エルムウッド、グリーンシル…。ホラーですねぇ、シュールですねぇ。 そしてもう一つ、キウイがイチゴに絶対勝てない現実がある。イチゴは苺。くさかんむりに母。これにはかなわない。イチゴにはキシリトールなんかも含まれていたりして、感じるんだな、母の愛情。とすると、毛むくじゃらのキウイは木へんに父かな。 ちなみに、草かんむりに父は艾。「もぐさ」である。 お灸をすえられる前に、本日これにて筆じまいでござる。
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