304.験かつぎ(2007.1.29掲載)
今年度のセンター試験が終わった。毎年の恒例行事として現代国語の読解に挑戦しているのだが、年々難問化している。とにかく難しい。選択肢が絞りきれない。 かつて、作家の遠藤周作氏が自分の小説が題材となった問題に挑戦したところ、見事0点だったと言っていた。伝えたいことが1行に収まらないから長い小説を書くわけで、「作者の言いたいことを1つだけ選べ」というのは文字通り苦渋の選択に違いない。 ところで、センター試験といえば、最近受験生対象の「験かつぎ商品」を見かけることが多くなった。この時期の食品業界は正月が明けてバレンタイン商戦までのイベント端境期であるが、験かつぎ商品で売り上げの隙間を埋めるという魂胆なのだ。 座布団1枚的見事な験かつぎ商品の語呂合わせを紹介する。 キットカット(ネスレコンフェクショナリー)=きっと勝つ、カール(明治製菓)=受かーる、ハイレモン(明治製菓)=入れる門、キシリトールガム(ロッテ)=きっちり通る、キャラメルコーン(東ハト)=かなえるコーン、ポッキー(江崎グリコ)=逆読みでキッポー(吉報)、セコイヤチョコ(フルタ製菓)=成功イヤー、オーザックカルビ焼肉(ハウス食品)=受カルビ焼肉、うかっ茶う(サンガリア)=受かっちゃう…。 すばらしい。 しかし、なんと言っても語呂合わせ商品の元祖はかつお節である。戦国武将もあやかったとされる定番の「勝男武士」は有名だが、私はもう一つのたとえが好きだ。 武士は義をみがき、私欲を削って主君に仕える=かつお節を削って食べる。 わが身と懐を削って奉公中の身にしんみり堪える験かつぎ商品なのである。
|
column menu
|