308.19.2%(2007.2.26掲載)
加工食品の原材料価格が高騰を続けている。 漁獲規制でマグロが上がり、需要拡大で大豆が上がり、中国が消費してコーヒー豆が上がり、原料のサトウキビがバイオエタノール燃料用にまわされて砂糖が上がった。 これらを受けて、マルハチ村松がネギトロを5〜10%値上げし、日清オイリオがサラダ油(大豆油と菜種油のブレンド)を5〜10%値上げし、キーコーヒーがレギュラーコーヒーを12%値上げし、虎屋が羊羹(砂糖をたっぷり使う)を5〜10%値上げした。 やはりデフレ下の加工食品市場、10%の値上げが限界かな。 こんな状況の中、「価格が19.2%高くても買う」という調査結果が出た商品がある。それは、男前豆腐店の「男前豆腐」。 日経デザイン誌の調査によると、「通常の豆腐が120円だとして、いくらまでなら男前豆腐を買うか」という質問に対しての回答が、平均143円だったのだ。143円−120円=23円。すなわち、19.2%高。 この数字は、同じ調査におけるメルセデスベンツ「Sクラス」の16.1%、セイコーエプソン「カラリオ」の12.0%、夕張メロンの10.5%、資生堂「ツバキ」の7.9%を抑えての1位。ほとんどCMを打たない商品としては異例のブランド力であり、羨ましいばかりの高付加価値である。 同店は他にも、「男前ブラック」「お嬢ホワイト」「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」「絹厚番長」などを展開しており、こだわり+おいしさ+ブランドで、大豆原料の値上げなど軽く吸収できる19.2%を獲得したのだ。 利益の取れる高付加価値商品の開発に精を出し、原料高製品安市場に抗う今日この頃。 19.2%を新年度のスローガンにしてもいいと思う次第である。
|
column menu
|