326.食事と体内時計（2007.7.2掲載）

　本年３月、CNET Japanとgooリサーチが全国１０３４人の男女を対象に実施したダイエットに関する実態調査によると、「最も効果があったダイエット方法」という質問に対する回答の１位が「食事制限」で、２位が「ウォーキング・ジョギング」だった。 　他に、「筋力トレーニング」「サプリメント」「水泳」などの項目もあがっていたが、個人的に効果のあった「寝ない」という自虐的ダイエット法は、どこにも見あたらなかった。 　睡眠時間を２時間減らしたら、１ヶ月で２ｋｇ痩せたのに…。 　人体に組み込まれている２４時間周期の体内時計には、１日の中で特定の生理現象が起こりやすい時間が設定されていて、血中の成長ホルモン濃度がピークを迎えるのが夜中の１時〜３時。つまり、寝る子は育つ、起きてれば痩せる。１時〜３時の間起きていればいいということではないか。 　ちなみに他の体内時計設定は、アレルギー性鼻炎の症状が最悪になるのが午前７時、アドレナリンと体力のピークが午後３時〜５時、おしっこの量が増えるのが午後５時〜７時、等々。 　体内時計はおもしろい。 　さらに、食事と体内時計に関する興味深い研究成果を早大理工学部の柴田先生がまとめている。 　本来、ヒトの体内時計は２５時間周期だが、毎朝太陽の光を浴びることでリセットされ、２４時間周期に合わせている。このリセット効果が食事にもあり、朝食を規則正しく食べることで体内時計が正確に刻まれるというのだ。 　これを応用すれば、海外旅行の時差ボケも解消できるらしい。あらかじめ、旅行先の食事時間に合わせて日本で食事を摂っていれば、時差ボケの症状が軽減される。就寝時間の調整より簡単そうだな。 　柴田先生の体内時計研究が発展すれば、ダイエットに有効な食事時間なんかが解明されるかもしれない。そんな淡い期待を抱きつつ、もう一度冒頭の調査結果をながめてみた。 　効果があったダイエット法の第３位に、「効果があったものはない」という回答が鎮座していた。 　ダイエットは難しい。