341.未来予測図(2007.10.22掲載)
今から30年前、「ビックリハウス」という投稿系雑誌がサブカルチャーの世界でブームになっていて、中学坊主の私も時々投稿していた。数少ない採用作品に、「もしも…」のコーナーに掲載されたこんな駄文があった。 「もしもレコードから溝が消えたら、レコード針は吸盤になるだろう」 すごい、というか惜しい。いや、ダサい。 時はCD登場の5年前。CDの出現を予測しているようなしていないような。もう少し学があれば後半部分をデジタルな展開にし、CD原理の基本特許を押さえたりしてCD成金になれたのに。吸盤じゃ、お話にならない。 そして今、そのCDも発売25年目にして存在が危うくなっているのだから、技術の進歩はすさまじい。インターネットの普及で音楽配信が台頭し、昨年の国内売上534億円。CDシングルの売上を超えているのだ。CDの凋落を予測した人はいるのだろうか…。 食品の世界はそれほど激しくはない。 チキンラーメン、日本のコカコーラ、ポッカレモン、お茶づけ海苔が50歳、マヨネーズが80歳、ミルクキャラメルが90歳、味の素、赤玉ポートワイン、サイダーが100歳と、長寿商品は意外と多い。 しかし、緩やかながらも技術革新はある。そこで、食品の未来を予測すべく、文部科学省作成の未来技術年表を覗いてみた。これは、科学技術の専門家が予測する2035年までの世界である。 2015年、遺伝子組み換え食品が一般市民に理解される。2020年、BSEの予防、診断、治療技術が確立する。2024年、環境ホルモン、重金属のリスク管理技術が確立する。 う〜ん、どれも煮え切らない技術革新だな。マイナスをやっと原点に戻すような事例ばかりで楽しくない。そこで、こんな予測をしてみた。けっこう確度の高い世界だと思うのだがどうだろう。 2035年、食糧自給率が10%に低下し、無添加、産地限定、遺伝子組み換え不使用を叫ぶバイヤーが、絶滅する。
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