364.東京ミシュランBOOCSダイエット(2008.04.07掲載)
本年2月5日、内閣府が2005年度の都道府県ごとの県民所得を発表したが、予想通り東京が1位(477.8万円)で、沖縄が最下位(202.1万円)だった。その差2.4倍。2004年度のデータでは2.3倍差だったから、格差は確実に広がっている。 たしかに東京はリッチだ。路上を走るクルマは営業車やトラック以外すべて高級車。普通のクルマがいない。庶民は地下鉄に乗れということか。家賃200万円のマンションが満室で、1人3万円のフレンチが夜ごと満席なのだから、体感格差は2.4倍どころではない。 これとは逆に、沖縄が1位で東京が最下位というランキングがある。社会保険庁発表の2004年度県別肥満度調査によると、女性の部1位が沖縄(BMI値25以上の比率26.1%)で、最下位が東京(同15.1%)だったのだ。体重格差1.7倍。 東京の女性はおしゃれでダイエットに気を遣うから痩せている、という社会通念的考察もいいが、ここは少し見方を変えて「東京ミシュランBOOCSダイエット仮説」を提案したい。 BOOCSダイエットとは、九州大学名誉教授の藤野武彦先生が提唱した「脳疲労」を解消する食事法。1日1回好きなものを好きなだけ快食することで食べたいものを我慢するストレスから解放され、脳疲労がなくなり、適正な体重に変化するというのだ。 糖尿病患者42人を対象とした臨床試験でも成果が出ており、「従来型の食事制限ではイライラする空腹感に襲われるが、BOOCS法では夕食が待ち遠しくなる空腹感があり、実際においしく好きなだけ食べられる。ストレスはたまりません」と藤野先生は読売新聞紙上で語っている。 つまり、東京の女性は朝食昼食を質素に済ませ、数多あるミシュラン格付け店で夕げを快食。おいしさと達成感と優越感で、食後1週間はストレスフリーで脳疲労知らず、という仮説である。これで体重が減るとしたら、言うこと無しのダイエット法だな。 ちなみに、肥満度調査男性の部1位はやはり沖縄だが、最下位は東京ではなく新潟。グルメシティを闊歩する健啖家は、どうやら女性優位のようである。 ちょっとだけ財布の中身が気になるBOOCSダイエットなのである。
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