365.ミニモジメガモジ(2008.04.14掲載)
ここ数年、加工食品の表示に関する法律が頻繁に改正され、そのたびに表示しなければならない項目が増えた。「原産国:中国」「遺伝子組み換えでない」「原材料の一部に大豆を含む」等々、けっこう文字数がかさばる内容である。 その上、個食化の影響で商品自体のサイズが小さくなっているものだから、表示に使える面積がいきおい狭くなり、文字の大きさがどんどん小さくなっている。ミニモジである。 法律上、食品表示で使える文字サイズは8ポイント(約2.8ミリ角)以上と定められているから普通に見える大きさではあるが、ユニバーサルデザインの観点からすると、お年寄りには不親切なミニモジかもしれない。 対して新聞はメガモジブームで、読売新聞と朝日新聞が3月31日から文字サイズを拡大し、読みやすくしている。 読売新聞の場合だと、横に約7%、縦に約16%大きくなり、面積で約23%広くなった。かなりでかい。でかくなった分、文字数を減らして対応するから1面コラムの「編集手帳」も77文字少なくなった。 3月31日付朝刊の同欄に、「情報の密度は高く、潤いはそのままに、きりりと苦み走った男前の文章を求めて記者一人ひとりが我が身に鞭(むち)をあてる。活字を大きくするとは、その覚悟を読者に誓うことでもある」という決意表明があったが、ちょっと物足りない感じもした。 ところで、この新聞のメガモジは記者のリストラ策だという噂もある。文字を大きくした分、紙面に入る記事の量が減り、記者も減らせるというのだ。ちょっとこわい。 ならばこれをヒントに、食品表示をメガモジにして原材料や添加物のリストラを図るというのはどうか。 例えば、表示で使える文字サイズを12ポイント(約4.2ミリ角)以上とすれば、8ポイントの場合と比べて面積が約2倍になる。つまり、原材料や添加物の種類を半分に減らさなければ表示がパッケージに収まらないということなのだ。 少々強引かもしれないが、国産原料使用や無添加配合にいざなう妙案として、いかがだろう。
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