369.食ネタクイズ王(2008.05.12掲載)
昨今の食傷気味ともいえる雑学系クイズ番組の氾濫。番組制作会社もネタに困っているらしく、「クイズ番組の問題にするので社名は出せませんが…」という取材がけっこうある。社名が出ないのはいいとしても、マスコミお得意の超独断解釈や湾曲表現には頭を抱えることしばしば。 問題1.かつお節は、かつおにかびが生えたものである。○か×か。 正解1.○ 私見1.私なら×にする。「かつおにかびが生えた」という表現だと腐敗したみたいじゃないか。それに、かつお節にはかびを利用しないタイプ(荒節)もある。正確には「かつお枯節は、かつお荒節をかびで発酵させたものである」。 問題2.迷惑な異常発生のエチゼンクラゲ、これが世の中の役に立つ研究が進められている。どちらが正解か。A.水の浄化 B.砂漠の緑化 正解2.B.砂漠の緑化 私見2.もう少しブラックな問題を思いついた。「もったいない高級料亭の食べ残し、これが世の中の役に立つ研究が進められている。どちらが正解か。A.再利用して客に出す B.発酵させて肥料にする」。 問題3.無農薬、低農薬、有機栽培、減農薬。これらを農薬使用量の少ない順に並べよ。 正解3.有機栽培→無農薬→減農薬→低農薬 私見3.これはおかしい。番組側も後日訂正した。低農薬の表現に基準値はなく、無農薬と減農薬は「特別栽培農産物」の表示で統一されている。また、有機栽培を同列で比較するのはどうか。農家の知人曰く、「農業の心得がある人なら、有機栽培や無農薬がいかに無意味かわかるはず」。 他にも「天然塩、自然塩、ミネラル塩の違い」「無糖、微糖、低糖の違い」など、クイズ素材はいろいろある。 しかし、メーカーはコンプライアンスに神経をすり減らす日々。おもしろおかしいバラエティのネタを提供する余裕は、あまりないのである。
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