377.メタボリックゼロ(2008.07.06掲載)
私がいま一番注目しているお笑い芸人は、「ふとっちょカウボーイ」である。自身のメタボな体型を活かし、ピチピチの腹出しカウボーイスタイルで「メタボリック、パ〜ン、パン、パ〜ン」という奇声を発する。 TBS系深夜のお笑い番組「あらびき団」でたまに見る程度のレア芸人だが、上述のギャグが携帯の着メロになっていたりもするから、コアなファンは多いはず。どこがおかしいのかよくわからないまま爆笑してしまう不思議ワールドである。 日経流通新聞が発表した2008年上期のヒット商品番付を見ても、東西両横綱のキーワードはメタボリックだった。 東の横綱は「プライベートブランド商品」。本稿6月16日号でも紹介したように、品質が同じで超低価格なPB商品は、メタボ家計の引き締め役としてかなり重宝されている。イトーヨーカ堂では、すでに加工食品に占めるPBの割合が1割に達した。 西の横綱は「糖質・糖類ゼロ」。4社そろい踏みした糖質ゼロの発泡酒が、発泡酒全体のシェア2割に達したというからすごい。アサヒ「スタイルフリー」、キリン「麒麟ZERO」、サントリー「ゼロナマ」、サッポロ「ビバライフ」。メタボオヤジの救世主たちが繰り広げる「ゼロ戦争」、発売が1年早かったアサヒ「スタイルフリー」に一日の長ありか。 ところで、糖質ゼロは、糖類ゼロに比べてかなりハードルが高い。缶コーヒーで見かける糖類ゼロは、砂糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖を使わなければ甘味料を入れてもかまわないが、糖質ゼロは、オリゴ糖もでんぷんもキシリトールもスクラロースも使えないのだ。先頭を走るアサヒビール開発陣の心意気を感じるこだわりである。 飽食のメタボリックニッポン、家計もおなかもパ〜ン、パン、パ〜ンなのである。
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