380.エコだらけ(2008.07.28掲載)
先日、実家に親戚一同が集結した時の話である。3歳の姪っ子が「エコ〜」といいながら、誰も見ていないテレビを消した。 これはすごい。3歳の女の子にテレビを消させる1億総エコ化現象。節約でも倹約でも省エネでもないエコ。トイレットペーパーを買い占めた70年代の石油ショック時と比べ、人類は明らかに進化したと実感したのであった。 とにかく世の中エコだらけである。そして、エコを免罪符にしたり、隠れ蓑にしたりする輩が大勢居るからたちが悪い。自治体によるコンビニの深夜営業自粛要請などその典型である。 24時間営業だから便利であり、コンビニなのである。日経流通新聞が大都市圏に住む消費者二千人を対象に調査した結果によると、24時間営業がなくなったら困る店のベスト3は、コンビニ、スーパー、ドラッグストア。逆に、深夜営業しなくていい店は、ゲームセンター、ネットカフェ/マンガ喫茶、ディスカウントストア。その通りだと思う。 ところで、エコが浸透して私的に困ったことが1つある。それは、夏休みの宿題でエコが切り札にならなくなったこと。これまで、親戚の子供たちの宿題をいろいろ請け負ってきたが、「生ゴミの堆肥化」「田舎での農業体験」「小川の水質調査」など、作文系でも研究系でも入賞への近道はエコだった。それが、1億総エコ化の今日では珍しくも何ともなく、請負人の存在価値も急降下。エコネタなど使った時にゃ、審査員に「またか」と言われる苦難の時代になってしまった。 そんな状況を打破すべく、新たな夏休みの宿題ネタを探索していたところ、件の姪っ子にまた教えられた。 「リカちゃん苦い」 手にしたリカちゃん人形の靴は、誤飲防止のために塗布した苦味成分のせいでかなり苦いらしい。 確かに苦かった。 勉強にはなったが、宿題のテーマにはほど遠い小ネタだった。
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