383.クラス会のすべらない話(2008.08.25掲載)
むかしなつかし話満載のお盆休み、旧交を温める酒席で毎年登場するテッパンネタ がいくつかあるが、その中でも数少ない食品ネタをご披露する。 「ワイン工場」 高校2年の夏、修学旅行で山梨のワイン工場を見学することになった。社会科見学を行程に取り入れる、我が校初の試みだった。そこは、見学者受け入れを専門とする工場で、おみやげ売場まで完備していた。おみやげ用のワインが飛ぶように売れた。もちろん、全てその日の夜に消費されるのだが。 ワイン工場長曰く、「貴校の自由な校風に感銘を受けました。これまで数多くの学校を受け入れてきましたが、おみやげにワインの購入を許可されたのは貴校が初めてです」。 空瓶が大量に見つかってもお咎めがないのだから、確かに自由な校風である。ただ、翌年から見学ツアーが長野のケチャップ工場に変わった。犠牲者は後輩たちか。 「フェルマータ」 中学1年の秋、音楽の授業で音符を勉強する歌を歌っていた。「のば〜すしるしはフェルマータ〜」の部分で、「おまえはフェルマータをのばしすぎだ」と、友人が音楽教師の跳び蹴りを喰らった。吹っ飛んだ後もボコボコに蹴られ、教科書が血で染まった。 帰宅時、カボチャのように変形してしまった顔をカボチャの収穫をしていた母親が見つけ、学校に殴り込んだ。「フェルマータはのばすしるしですけん」と。 「飲んでません」 高校3年の秋、市内の居酒屋で運動会の打ち上げをした後、2次会会場である友人宅へ7〜8人で移動中、警官の職務質問を受けた。泥酔の友人を後ろに隠したが、匿う我々を押しのけて警官の前に出てきてしまった。「ぼかぁねぇ、ぜ〜んぜん飲んでないですょお。げぇ〜」。見事なゲロを吐いた。「現行犯っ」。警官はゲロを指さして雄叫びを上げた。 いま思えばかわいいエピソードばかりであるが、真剣にぶつかったゆえの青春の蹉跌であり、アルコールの触媒としては十分なのである。 クラス会のすべらない話は、お盆の風物詩なのである。
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