385.続・クラス会のすべらない話(2008.09.08掲載)
本稿第383号(8月25日発行)のやんちゃネタが意外と好評で、続編リクエストのメールを数件いただいた。調子に乗って3本紹介させていただく。 「スタンドバイミー」 高校3年の冬、卒業旅行で神戸の友人宅を訪問。4人で大阪のマハラジャに行き豪遊したまではよかったが、財布の中身が4人合わせて500円に。最短距離だろうということで、神戸までJRの線路を歩くことにした。 4人で青春を語らいながら、ジョージア片手に高架を歩く午前3時。なぜか前方にヘッドライト。汽笛が「ファーン」。こんな時間に「?」。高架の壁に「ぴたっ」。終電が終わっても貨物列車が走ることを学んだ18の夜であった。 「鉄棒が抜ける朝」 高校3年の夏、毎年恒例のブロック対抗校内綱引き大会。どうせやるなら真剣勝負ということで、ブロック全員分のお好み焼きをかけて勝負に臨んだ。負けられない試合だった。ふと、綱の最後尾を見た。鉄棒があった。ボーイスカウト出身者が、綱を鉄棒にツー・ハーフ・ヒッチ結びでくくりつけた。 鉄棒の力で絶対負けないつもりでいたが、競技開始直後、綱を引く手をゆるめた瞬間、鉄棒は見事に抜けた。ツー・ハーフ・ヒッチ結びのせいで、犯人はすぐに特定された。BGMで流れていた「クワイ河マーチ」は、映画「戦場に架ける橋」の主題歌。そして、修羅場は「鉄棒が抜ける朝」。 「お好み焼き」 鉄棒が抜けたせいで食べ損ねたお好み焼きは、学校近くのお好み焼き屋「風流」の定番。84歳のばあさんが切り盛りする我らがホームグラウンドである。 1時間目に遅刻し、「おばちゃん休ませて〜」と風流で待機。なぜか84歳の耳には「お好み焼き1枚〜」に聞こえたらしく、30分後にいつもの大盛りが完成。朝食後の満腹ボディにはきつかったが、おばちゃんを悲しませるわけにはいかず、完食して2時間目も遅刻してしまったのだ。 ある経営コンサルタントの先生が、「幼少期の原体験と、15歳から30歳までの時の流れで一生が決まる」とおっしゃっていた。そんな大切な時期だとも知らず、無軌道に過ごした青い時間。 切なさのフィルターがないと、とても見ちゃいられない日々なのである。
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