397.3が好き(2008.12.1掲載)
日本人は3が好きだ。 三三七拍子、三顧の礼、三人寄れば文殊の知恵、仏の顔も三度、三本の矢、三日坊主、三度目の正直。 ジャイアンツファンだった実家の祖母は、ナイター中継が始まると決まって「333長嶋さん」と念仏を唱えるように応援していたし、最近だと、近所の公園で小学生が3でアホになっている。 カップ麺のできあがりを待つ3分間は苦にならないが、日清食品の新商品でレンジアップ5分のカップヌードルには、ちょっとイライラ。 こんな感じでしっくりくるものだから、自己啓発系のセミナーも3つのパターンで教訓を伝えるフレーズが多い。いくつか紹介させてもらう。 「中小企業は体で仕事、中堅企業は頭で仕事、大企業は心で仕事」…大企業は心というが、そんなきれい事で金が稼げるのかな、と思っていたら次のような言葉があった。 「赤く考えて、緑に暮らして、黒く儲ける」…コミュニティとエコを大切にし、最後は腹黒く稼ぐということか。けど、こんなことも言われた。「金を残すのは下、仕事を残すのは中、人を残すのは上」。やれやれ。 「トン産業、キロ産業、グラム産業」…鉄鋼→機械→半導体と主役が変遷してきたという意味だが、次世代は「ナノ産業」かも。 とにかくどの業界でも、「体格→体力→体質」という流れで「生産性、人間性、社会性」が良い会社を目指すのである。 「人づくり、モノえらび、金づかい」…良い会社を目指すためのセミナーは佳境に入り、人間形成と自己実現の啓蒙トークが始まる。 「理念→信念→執念」…理念だけでは生きられないが理念がなければ生きる資格がない。「?→×→!」…疑問を持ち、現状否定し、感動する。「火をつけなくても燃える人3%、火をつけると燃える人17%、火をつけても燃えない人80%」…あついあつい。金八トークも濃すぎると逆効果。 カップ麺は3分、教訓は3つが限度なのである。
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