400.2008年大団円(2008.12.22掲載)
今年一年の総括として、日経流通新聞社発表の2008年ヒット商品番付を見た。 東の横綱が開店初日に5000人が行列したH&Mと絶好調のユニクロで、西の横綱がセブンプレミアムとトップバリュというプライベートブランドの両雄。景気低迷下における消費者の節約心理を突いた「お買い得」商品が、両横綱の地位に輝いた。 番付全体の傾向として感じるのは、リニューアル商品が多いこと。消費者同様、企業側も開発費を節約し、既存品の改良で手堅いヒットを狙った結果ではないか。 リニューアル系の番付商品を紹介する。 西大関「任天堂Wii Fit」…昨年の同番付東横綱であるWiiの運動系ゲームソフトで、10月末時点の販売総数は世界で1000万本。メタボ時代を読んだソフト開発者の勝利ではあるが、ゲームソフトの入幕を認めるときりがない気もする。 東前頭二枚目「アサヒ飲料ワンダゼロマックス」…糖質ゼロだが、甘味料を工夫して微糖に近い飲み口にした缶コーヒー。8ヶ月で430万ケースを達成したというが、ゼロ系は昨年の前頭七枚目「カロリーゼロ・コーラ」からの連想か。 西前頭二枚目「キリンビール氷結ストロング」…アルコール度数を8%に上げただけというリニューアルの好例。当初の売り上げ目標も、年末までに125万ケースという軽い乗りだったが、実際は10月末時点で313万ケースのヒット。不景気で安く酔いたいという消費者心理を読んでいたとしたらすごい。 東前頭五枚目「ミツカン金のつぶ あらっ便利!」…ビニールのフィルムを除き、添付のタレをゼリー状にして小袋開封の手間いらず。2ヶ月で6000万食のヒットというが、辛子がなくなったのは大不満。密かに、チューブ入り練り辛子の売り上げに貢献した企画ではないか。 そういや、東の横綱H&Mが入居するジーキューブビルも銀座ガスホールビルのリニューアル。ここの地下には伝説のジャズ喫茶ACB(アシベ)があり、1960年代には1日に3000人が訪れるロカビリーの聖地だった。 流行の輪廻に思いをはせながら、2008年大団円とさせていただきます。
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