406.食受難データ集(2009.2.9掲載)
日経流通新聞が発表した「2008年CMグランプリ」によると、2008年に最も売り上げに貢献したCMは、2007年同様ソフトバンクモバイル「SoftBank」だった。以下、2位任天堂「Wii」、3位資生堂「TSUBAKI」、4位大塚製薬「SOYJOY」、5位任天堂「ニンテンドーDS」…。 ローマ字ばかりじゃないか。それに、ケータイとゲームの独壇場。これらの商品はCM効果が出やすいからかもしれないが、食品と衣類の売り上げがケータイやゲーム代に持って行かれるという市場の実態をそのまま反映したランキングとなっているのだ。 総務省の家計調査によると、1983年と比較した2005年の消費支出は、衣類費37%減、食費9%減で交通・通信費が67%増。食費は軽傷に見えるが、お父さんの昼食代は、2001年に1食720円だったのが2008年には570円に急落している。コンビニ弁当が売れるわけだ(GEコンシューマー・ファイナンス調べ)。 さらに、日経産業地域研究所が調査した平成元年生まれ「平成成人」の意識調査を見ると、もっと危機的である。「休日にすることが多い」項目は、「ネット検索」73.1%、「テレビ・DVDを見る」61.7%、「自宅で音楽鑑賞」50.0%、「ゲーム機で遊ぶ」48.5%、「自宅で読書」45.6%。 いわゆる「巣ごもり消費」である。 そして、「食事に出かける」23.1%と、食品業界の未来は暗い。 「ドライブをする」9.2%。自動車業界の未来はもっと暗い。 そもそも若者の意識にかかわらず、少子高齢化で我が国の胃袋は縮んでいる。国民1人当たりの平均摂取カロリーは、この20年で約200キロカロリーも減少した。200キロカロリーは、かつお節にして約60g。60gの花かつお商品1袋分の消費が減ったのだ。 巣ごもり対応商品の開発が急務なのである。
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