450.2009年大団円(2009.12.21掲載)
今年一年の総括として、SMBCコンサルティング発表の2009年ヒット商品番付を見た。 東の横綱が自動車業界復活の起爆剤となった「ハイブリッド・カー」で、西の横綱が世界で初めてアルコール0.00%を達成したビールテイスト飲料の「キリンフリー」。どちらもがっついた感じのない、エコでさわやかな商品。草食系男子と森ガールがよく似合う両横綱である。 番付全体の傾向として感じるのは、節約系商品が多いこと。「ブローネ泡カラー(東前頭2枚目)」を買って自宅で髪を染め、「激安ジーンズ(東前頭5枚目)」をはき、「弁当と水筒持参(西前頭4枚目)」で「韓国旅行(東前頭4枚目)」に出かける。 節約といえば、10月31日付の日経新聞で「自前で節約 効果のあった方法」というアンケート結果発表していたが、そのランキング15位までに、食品ネタが8項目も入っていた。 例えば、1位:外食を控え、食材を買って自宅で料理。4位:自宅のお茶はペットボトルを買わず自分で入れる。6位:職場の昼食は手作り弁当を持参。15位:漬物はぬか漬けや浅漬けを自家製。 けど、これらの項目って、昭和じゃ当たり前だったことばかりじゃないか。食品以外の項目もそうだ。2位:ワイシャツは自宅で洗濯・アイロン。3位:ドライマーク付き衣類も手洗い。9位:白髪染めやカラーリングは自宅でする。11位:庭木の剪定やしば刈りは自分で。14位:洗車やワックス掛けは自分でする、等々。 しかし、バブルを境に質素倹約を放棄した日本人は、知恵と工夫の発想力まで退化させてしまった。そう簡単に昭和に戻ることはできなかった。 それを実証するアンケートとして、「機器代や材料費などでかえって逆効果だった」事例も紹介されていた。家庭菜園で野菜を育てて食材にする、デザートやケーキを手作りする、総菜や冷凍食品を買わず自宅で料理する、等が逆に高く付いたらしい。 昭和は遠くなりにけり。 流行と世相の輪廻に思いをはせつつ2009年大団円とさせていただきます。
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