451.御教訓カレンダー(2010.1.5掲載)
俳優の渡辺いっけい氏と私は、かつて「ビックリハウス」という雑誌の投稿仲間だった(と勝手に思い込んでいる)。 いっけいさんは超常連で私はビギナー。たまたま二人が1979年5月号の同じコーナーに掲載され、「最優秀賞」に輝く「渡辺いっけい16歳(愛知県)」に対して、私は「通常取り扱い作品」の末席を汚した15歳(愛媛県)だった。 そんなビックリハウスが1980年から発売を始めたのが「御教訓カレンダー」。名言、迷言、格言、珍言の投稿作品を3日坊主めくりのカレンダーに仕立てている。 そこで、一年の計に際し、今年の目標を4人の著名人の格言を通してここに掲げる。 「ブレる、妥協する、ナメられる!」by田母神俊雄 とにかく一度決めた方針は貫徹しなければならない。ブレると妥協してしまうし、妥協するからナメられる。田母神閣下を見習って、ブレない生き方を心がけたい。 「役者はさ、台本読んじゃダメなの。台本なんてェものは食っちゃうんだよ。よく噛んでな」by勝新太? ここに掲げた格言もよく噛んで食べなければ、自分のものにはならない。 「苦労は人に語るものではない。記憶にとどめるべきでもない。神の給うた本物の価値ある苦労であれば、頭が忘れても体は必ず覚えている」by浅田次郎 高校時代のサッカー部夏合宿。練習後に海で泳いだ部員だけ、ペナルティとして翌日から早朝10kmマラソンが課された。「泳げる体力があるなら練習しろ」という不条理な指導で、過剰な根性が体に染みついた。 「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことをあくまでもゆかいに」by井上ひさし 言葉にこだわる井上先生の格言は、すべての文筆家にとっても目標のはず。もちろんこのコラムもそうありたい。 2010年も、ブレずに、よく噛み、苦労を語らず、ゆかいな文章をお届けする所存である。
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