490.もしドラとコロプラ(2010.10.12掲載)
日経MJ誌が発表した2010年上期のヒット商品番付で東西の前頭筆頭だったのが、もしドラ(西)とコロプラ(東)である。 おっさん泣かせの若者系短縮語に怯みがちではあるが、どちらも最新マーケティング手法の成功事例だけに、よくよくお手本にしなければならない商品なのだ。 もしドラは、100万部を突破した岩崎夏海著の青春小説「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」のこと。マネージャーの川島みなみが、間違って買ってしまったピーター・ドラッカーの名著「マネジメント」を野球部の改革に生かすという内容。 マーケティング、顧客満足、イノベーション、目標管理、人事問題など、ビジネスの修羅場で飛び交う単語がみなみちゃん目線で語られる。日本人は高校野球に弱い。みなみちゃんにも弱い。 高校野球とドラッカーをつなげ、書籍販売に落とし込んだ天才的マーケティング。出版業界の成功事例である。 コロプラは、GPSの位置情報を活用し、ネットユーザーを現実世界でのリアルな消費に導くコロプラ社の携帯ゲーム「コロニーな生活PLUS」のこと。 う〜ん、これもおっさん泣かせだ。 ゲームを始めると自分だけのコロニーが手に入るが、仮装通貨「プラ」を得るには現実世界で移動しなければならない。1km=1プラ。また、現実世界のコロプラ提携店で買い物をすると、ネット上でレア土産を買えるカード「コロカ」がもらえる。東京メトロともタイアップしていて、駅ごとにバーチャル食材がもらえ、1日乗車券を購入するとゲーム内に料理人が現れて食材を調理してくれる。 ついて行けずにほんとに泣けてきたが、出不精のオタクや引きこもりのゲーマーを家から出させ、購買行動につなげた画期的成功事例なのだ。 川島みなみちゃんとメトロに乗ってプラを手に入れたくなった、季節の変わり目なのである。 ================================================================ コロプラ情報の出典は、日経ビジネス2010年7月号です。
|
column menu
|