494.冬支度(2010.11.8掲載)
11月に入り、衣食住で冬支度がいそがしくなってきた。 この時期になると必ず考えるのが「春先はいつまでコタツを出していたのか」「コートをしまったのはいつだったか」。つまりは「10月、11月は春先のいつ頃と同じ気候なのか」という疑問である。 この答えを導くべく気象台のデータを眺めていると、ある法則の存在に気がついた。 それは、足して15になる月どうしは平均気温がほぼ同じ(1月は13月として考える)という法則である。つまり、1月と2月、3月と12月、4月と11月の平均気温がかなり近いのだ。 この法則は全国的に通用するようで、2010年東京の平均気温…5月19.0℃、10月18.9℃。同松山…5月18.6℃、10月19.6℃。同鹿児島…5月21.1℃、10月21.6℃という具合である。 しかし、どう考えても緑まぶしい5月と枯葉舞い散る10月では季節感が違いすぎる。平均気温には現れない折々の要因が、人間の体感を左右しているのかもしれない。 夏に向かい日々気温が上昇する5月は希望の暖かさに充ち満ちているが、ある日突然寒くなり、日の長さが5月より3時間近く短い10月の寂寥感は身も心も寒くする。 食品業界はこの心理を突く。 晩秋はおでん販売のピーク月。冬の底である12月〜2月より、冬に向かわんとする10月、11月の方がおでんが売れるのだ。 10月26日東京、最高気温19.8℃。翌27日、最低気温10。4℃、日没16時52分。 おどろおどろしく迫る夕闇から逃れるように田んぼの畦道を駆け、家路を急いだ少年時代。あの日と同じように、サラリーマンたちは食卓のおでんや鍋を思い描きながら、駅の階段を駆ける。 食品業界も冬支度なのである。 ================================================================ 15の法則、みなさま検証の程よろしくお願いいたします。
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