500.2010年大団円(2010.12.20掲載)
今年一年の総括として、SMBCコンサルティング発表の2010年ヒット商品番付を見た。 今年は東西の横綱が「該当なし」の珍事だったが西の大関に「食べるラー油」、東の小結に「ガリガリ君」という食品業界店頭品薄コンビが鎮座し、羨望の的となった。 あぁ、一度言ってみたい。「売れ過ぎて生産が追いつきません」。 品薄商品といえば、11月26日付の日経流通新聞で、売れ過ぎて「販売休止・発売延期や店頭で品薄になった商品」がリストアップされていた。 桃屋「辛そうで辛くない少し辛いラー油」、永谷園「1杯でしじみ70個分のちから」、ライオン「トップナノックス」、ロッテ「ザクリッチ」、キャドバリー・ジャパン「ストライドガム」、サントリー「オールフリー」、エステー「かおりムシューダ」、日清食品「日清カップヌードルごはん」、三洋電機「GOPAN」。9品中6品が食品だった。 販売好調はいいことだが、メーカーにとって欠品は最上位の禁忌であり、絶対に許されない失態である。25年前、研修先の量販店で見た「欠品は売場の恥」という標語が今も目に焼き付いて離れない。 この年、23歳の筆者はなぜかインパクトのある標語によく出会った。 研修を受けた陸上自衛隊某駐屯地で、「俺を見よ!俺に続け!」。納品先の某物流倉庫で、「パレット1枚8000円、君の日給7000円。君は何のために働いているのか(パレット破損注意)」等々。 その中でも欠品の標語は、業界ビギナーにとって衝撃だった。確かに売場の商品がまばらだと品質が悪そうに感じるし、購買意欲も低下する。コンビニ弁当は、山盛り陳列されたものから売れていくのだ。 けどやっぱり言ってみたい。「売れ過ぎて生産が追いつきません」。 流行と欲望に思いを馳せつつ、2010年大団円とさせていただきます。 ================================================================ 来週は冬休みをいただきまして、次回配信は新年1月5日とさせていただきます。
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