515.直感と確率(2011.4.11掲載)
小生、数学がからっきしダメで、高校、大学受験ともに数学で大コケした苦い過去がある。特に確率が鬼門で、センスがないから直感がことごとく逆目に出てしまう。 そこで、高校数学教師の知人に直感が確率や統計とずれる命題をいくつか紹介してもらい、直感力の強化に取り組んでみた。 その1.モンティ・ホール問題 モンティ・ホールが司会を務めるアメリカのテレビ番組がきっかけで大論争になった確率論。 ゲストが3つの扉から1つを選ぶ。どれか1つに賞品があるのだが、ゲストが扉を選んだ後、答えを知っている司会者が残り2つの扉のうち賞品がない方の扉を開けてみせる。ここでゲストは最初の選択を捨てて、残りの閉じた扉に切り替えることもできる。果たして切り替えるべきか否か。 ほとんどの人が直感的に最初の選択を変えないが、実際は切り替えることで賞品を当てる確率が2倍になるらしい(1/3から2/3へ)。 その2.誕生日のパラドックス 何人集まればその中に同じ誕生日の人がいる確率が50%を超えるか、という問題。正解は23人で、直感と反してかなり少ないという点でパラドックスと呼ばれる。 40人学級にこの計算を当てはめると、約90%の確率で同じ誕生日の人がクラスに存在することになる。今までいたっけ? ただし、自分と同じ誕生日の人がいる確率が50%を超えるためには253人必要で、これは直感に近い。 その3.クラス規模の平均問題 生徒数が80人、15人、5人という3つのクラスがあった場合、クラス規模の平均は何人か。当然ながら、(80+15+5)/3=33.3人が正解。しかし、実感は違う。100人の生徒のうち、80人は80人のクラスで賑やかに過ごし、5人は5人のクラスで静かに語らう。 つまり、生徒にとってのクラス規模は、(80×80+15×15+5×5)/100=66.5人となるのだ。 以上3つの事例で直感と数字のずれを体感してみたが、やはりよくわからない。数学が得意な人は、このずれがないのかな。 現在、逆にずれを利用し価格設定や販売戦略に生かせないか考察中なのである。 ================================================================ 確率問題の出典は、日経サイエンス2011年4月号です。
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