518.ライブ買い(2011.5.2掲載)
小生、ジャズファンでもないのにジャズのCDを20枚ほど所持している。 それら全てが「ライブ買い」。ジャズライブを聴いて感動し、そこで販売している演者のCDを衝動買いした結果なのだ。5アーティスト×4枚=20枚。 きっかけは5年前の夏。東京在住の従兄弟に「ジャズの良さがわからない」と言った瞬間首根っこを掴まれ、聖地ブルーノート東京に連行された。 当日の演者はカリプソの帝王「マイティー・スパロウ」。当然ながら全く知らない。それ以前に、下町をホームグラウンドにしている筆者にとって、青山や表参道のおしゃれな雰囲気は全くの異次元だし、ちょっと怖い。 しかし、1時間半のライブ終了後には「ブラボー!マイティー!」を連発し、にわかカリビアンとしてCD片手に青山通りを闊歩していたのだ。 以来、年1回のブルーノート詣でを自らに課すこと5年。毎回、知らないアーティストに出会って1時間半後に心酔するというパターンで、20枚のCDに至ったのだ。 今にして思えば、ど素人の私に世界最高レベルの演奏を見せてくれた従兄弟に感謝である。入門編と称して地方の低レベルなライブを見せられていたら、嫌いになっていたかもしれない。 そう考えると、年を取ってから新分野に挑戦する場合は、いきなり最高レベルを体感した方がいいのではないかと思う。初めてのサッカー観戦ならプレミアリーグ、初めてのクラシックならサントリーホール、初めてのピアノならスタインウェイ。もちろん懐具合次第だが…。 食の世界でも同じ。以前、ロシア料理に初挑戦した際もロシア料理通おすすめの「浅草マノス」にまで足を運んだことが奏功し、ウォッカとボルシチにはまった。ライブ買い(持ち帰り)したくなった。 まさに外食産業は毎日がライブである。一見客がカウンター越しの包丁さばきと最高の味に感動してライブ買い。そして、またライブ通い。 加工食品メーカーがどう転んでも真似のできない販促が、外食産業にはあるのだと思った。 ================================================================ 浅草マノスは、東京都台東区雷門2−17−4です。
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