565.長寿遺伝子(2012.4.16掲載)
昨年6月12日のNHKスペシャル「あなたの寿命は延ばせる〜発見!長寿遺伝子〜」で長寿遺伝子を活性化する手法が紹介され以来、そのキーワードである「小食」と「レスベラトロール」を耳にする機会が極めて多くなった。 普段眠っている長寿遺伝子がONになると、寿命が2〜3割延びるというのだから騒がしくなって当然である。 まず小食。100歳以上の元気な老人は若い頃から小食で、長寿遺伝子の働きが活発。食事を減らし、あえて飢餓状態を作ることで、危機を感じた体がさまざまな延命措置を取ろうとするのである。人類17万年の歴史のほとんどが空腹だったのだから腹八部目は理にかなっている。 ちなみに小食は、50代なのに30代に見える南雲吉則博士も自著「20歳若く見えるために私が実践している100の習慣」で推奨しており、先生自身夕食のみの1日1食を実践中(3食から1食に減らすのに5年かかったらしい)。 ついでに、他の習慣をいくつか紹介すると、果物は皮ごと食べる(皮には抗酸化作用がある)、スポーツはしないでウォーキング(人間の生涯心拍数は23億拍と決まっておりスポーツによる心拍数の浪費を避ける)、紫外線を避ける(肌の老化原因の80%が紫外線)、夜10時から午前2時までの4時間を熟睡する(メラニンが吸収され肌が白くなる)等々。 南雲先生の超若いご尊顔を拝すると実践せずにはいられないが、ストイックな習慣はちょっときつい。 そこで、冒頭2つめのキーワードであるレスベラトロールで楽をする。これは市販のサプリメントを飲めばいいだけ。特に、米国で販売されているレスベラトロールはイタドリ由来で効き目もいいらしい。 それでもダイエットを兼ねて小食に挑戦、という方向けのサプリメントが近々登場しそうである。それは食欲抑制チューインガム。米国シラキュース大学のドイル博士がヒトペプチドYYというホルモンに食欲抑制効果を確認したのだ。 ヒトペプチドYYガムを噛むだけで満腹になって、小食になって、長寿遺伝子のスイッチが入って…。 不老長寿の飽くなき追究は、とどまるところを知らないのである。 ================================================================ 食欲抑制チューインガム情報の出典は、日経サイエンス2012年4月号です。
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