566.お家芸(2012.4.23掲載)
日経産業地域研究所が発表した2012年第1四半期新商品ランキングを見てみると、ベスト5に日本のお家芸的新商品が並んでいた。 第1位にトヨタのハイブリッド車「アクア」、第5位に同じく「プリウスPHV」。韓国勢に押され気味の自動車産業であるが、ハイブリッド車を低価格で製造するノウハウは凄い。169万円というアクアの価格設定はインパクト大で、発売1ヶ月の受注は12万台と目標の10倍。 第2位はフランスベッドが開発した横移動可能な車椅子「サイドウェイ」。医療費、保険制度等で問題を抱えつつも、日本の医療、介護産業は世界の先頭を走る。 第3位は「丸の内タニタ食堂」。満腹感を得ながらも健康体であり続けたいという飽食日本の権化。そもそも、日本食自体が低脂肪のヘルシーフードなのだから、タニタ食堂もお家芸に違いない。 第4位と同率第5位がどちらも花粉症対策メガネで、ジェイアイエヌの「JINS 花粉Cut」と三城の「花粉らくらく君」。JINSは花粉の侵入を抑えるフレームで、らくらく君は花粉侵入防止に加え、マスクをしても曇らない特殊レンズが特徴。 エコ、バリアフリー、ダイエット、花粉対策。まさに、かゆいところに手が届くお家芸。 かつて、家電製品に過剰な機能を付けたばっかりに、シンプルな韓国製低価格家電に世界市場を奪われてしまったメイドインジャパンであるが、活躍の場さえ間違わなければ、お家芸は強いのである。 ここで、私的な2012年第1四半期残念ランキングを発表したい。 同率1位…「読売巨人軍」「大河ドラマ平清盛」。今年こそはと期待した我が巨人軍の失速と、鳴り物入りの大河ドラマの視聴率低迷。共通して言えるのは、豪勢にタレントを集めるも主役がばらけてちぐはぐという点。 まあ、これもお家芸だから仕方ないか。 妙に納得しつつも、第2四半期に期待する今日この頃である。 ================================================================ 新商品ランキングの出典は、日経消費ウォッチャー2012年4月号です。
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