567.楽天気質(2012.5.1掲載)
今年の4月20日は、旧暦だと3月30日。そして、翌4月21日が旧暦の閏3月1日。つまり、今年は3月が2回あるのだ。だからだろうか、春を目前にしての花冷えがずいぶん長かったような気がする。 そして、我が出身高校のグラウンドにもやっと春が来た。開花の話ではない。グラウンドを覆っていた仮設のプレハブ校舎が、本校舎の耐震工事終了に伴い撤去されたのだ。やっと神聖なるマウンドが姿を現したのだ。 そう。なんと仮設校舎は野球部の内野グラウンドを覆う形で建設されていた。甲子園の常連校ならあり得ない話であるが、1回戦敗退の弱小校にだって夢はある。「甲子園をあきらめたのか」というOBの叱責も聞こえてきた。 反面、「深く考えない」というカジュアルな校風が残っていたことに安心したりもした。とにかく毎日がラテン系。なんとかなるさと考えて、なんとかなってしまうパラダイス学園健在。 そんないい加減な母校の校風を象徴するエピソードがある。ある企業の新人研修で危機管理能力を問う次のような課題が出た。 「あなたは、3日後の日曜日に開催される職場30人の屋外バーベキュー大会の幹事です。ところが、運悪く天気予報は降水確率70%、さてどうする?」 多くの新人が、「30人の日程を再調整し、開催日延期を通達します」「全員分のカッパと雨よけパラソルを手配します」などの王道回答で切り抜ける中、後輩くんの答えは、「雨が降ってから考えます」だった。 コンプライアンス的、組織的、マネジメント的にはまずいのかもしれないが、この行き当たりばったり的楽天思想こそが、現在の閉塞感を打破する原動力になるかもしれないのだ。と、深く考えずに期待してしまった。 19年に7回発生する閏月、次回は2014年の閏9月。残暑が長引くか、さわやかな秋空が広がるか…。 体に染みついた楽天気質は、当然後者を選択するのである。 ================================================================ 9月に閏月が入るのはかなり珍しいことです。
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