608.就活最前線(2013.2.25掲載)
近所に住む某進学校の高校教諭が、「進路説明会で東京の有名私立大学の良さを父兄に説明しても、あまり理解してくれない」とぼやいていた。 実際、田舎の父兄の国立大学信仰は厚く、早慶上理(早稲田、慶応、上智、東京理科大)なら心は揺れるが、MARCH(明治、青山、立教、中央、法政)だと迷わず地方の国立大学にわが子を進学させるという親が非常に多い。 確かに、地元の国立大学に通わせた場合の学費と生活費の安さは破格だが、4年ないし6年後の就職活動を考えると、前述の有名私大のブランド力は絶大。就活戦線において、地方の国立大学はセンター試験の苦労が報われない地味な存在なのである。 あるビジネス誌が「一流企業に就職するための6カ条」を紹介していた。 「地頭のよさ」「要領のよさ」「継続性」「体力」「ストレス耐性」「人に嫌われない、嫌わない」の6つであるが、このうち前半3つが「難関校卒業生フリーパス」で、後半3つが「体育会系出身者は有利」とされているらしい。 つまり、一次選考の段階で大学のブランド力が大きく影響してくるのだ。そして体育会系。東京のサラリーマンは、六大学野球と箱根駅伝に弱い。慶応大学野球部や早稲田大学競走部卒業生のそうそうたる就職先が話題になっていたが、6カ条を満たしているのだから当然である。 地方の国立大学出身で非体育会系という出自を棚に上げて偉そうなことを書いてしまったが、たしかに自身が6カ条を満たせていないと猛省。 ちなみに、就活生のために情報提供しておくと、業種別の平均年収ランキングで我が食品産業は50業種中38位。平均565万円(39.9歳)は、1位に輝く総合商社の約半額。ちょっと厳しい。 最前線で戦うために情報は不可欠である。件の高校教諭に、進路説明会での年収情報提示を提案するつもりである。
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