614.70代には昆布茶を(2013.4.08掲載)
4月1日から導入された教育資金贈与非課税制度では、祖父母が孫に教育資金を渡す場合、孫が30歳未満であれば1500万円までは贈与税が非課税になる。で、電通の調査によると、アンケートを行った祖父母の44.5%がこの制度に乗っかるという。金持ってるな、シニア層。 となると市場が黙っちゃいない。これまで、60代の団塊世代を対象にしてきたシニアマーケットであるが、60代以上にリッチな70代にも食指を伸ばし始めているのだ(年代別貯蓄額…60代1498万円、70代1685万円/平成19年総務省調べ)。 実際、首都圏の70代が自由に使える金額は月平均5万2600円と、現役世代の平均3万4400円を軽く上回る。また、携帯電話の所有率は70.6%、パソコンの利用率も45.6%とデジタルにも明るい。基本的に毎日が日曜日なのだから、ツボにはまれば最高の顧客となるはずである。 成功事例を紹介すると、「平均年齢78歳の旅行ツアー(JTB首都圏)」「シニア向けの昼間のゲームセンター(アドアーズ)」「シニア向けペットフード(ユニ・チャーム)」「シニアに配慮した売場改革(イオンリテール)」など多方面にわたる。 もちろん、食品業界にとっても70代は食費を惜しまない重要顧客。ただ、加齢による味覚障害やうま味障害に悩む方が多いのも事実であり、これを解決すればさらに消費は拡大する。 特に、甘味、塩味、酸味、苦味は正常で、うま味のみわからないという「うま味障害」は唾液不足が原因の場合が多く、うま味成分を多く含む昆布茶を飲んで唾液を誘引し、改善に至るケースがある。 「食べ物がおいしくない」「味が分からない」「胃のつかえ感がある」「体重が減少する」などのうま味障害の症状が昆布茶で改善するのだから、まさに目には目をである。 じいちゃんばあちゃんが縁側で昆布茶をすする定番シーンには、味覚を磨く大事な役割があったのだ。 孫には教育費を、70代には昆布茶を。
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