618.吸い殻(2013.5.06掲載)
先日、ボランティア活動で道路清掃に参加したのだが、路上にタバコの吸い殻が多いことに驚いた。 タバコをやめてはや30年。ジョージア片手にタバコをポイ捨てしていた昔日の失態を懺悔するように、もはや死語に近い「火ばさみ」でせっせと吸い殻を拾い集めた。 街をきれいにしたぞとプチ達成感に浸っていた矢先、すごい上手がいるというニュースが飛び込んできた。メキシコのスズメが吸い殻を拾って巣づくりに活用しているというのだ。 メキシコのトゥラスカーラ自治大学の研究グループによると、スズメは拾った吸い殻から樹脂製のフィルターを取り出し、巣に織り込む。そうすると、フィルターに蓄積されたニコチンが天然の殺虫剤となって、巣やヒナを寄生虫などの有害な虫から守ってくれる。 そもそも、植物としてのタバコがニコチンを作り出すのはタバコの葉を食べる昆虫から身を守るためであり、スズメが再利用することも理にかなっている。いや、人間が利用した後だから再々利用か。 未使用のフィルターから作った巣には寄生虫が集まってくるらしいから、吸い殻を活用することに気づいた都会のスズメは頭がいい。 ただ、日本の喫煙人口(男性)は昭和41年の83.7%をピークに減少し、平成24年で32.7%。今後は路上の吸い殻も貴重になってくる。じゃ、スズメは吸いたい盛りの青二才がいる高校の校庭を目指すか。いやいや高3男子の喫煙率も、平成16年で21.7%と減少。しかも隠れて吸うから吸い殻は見つけにくい。 となると北上だ。都道府県別喫煙率のベスト3を見ると、青森(38.6%)、秋田(37.4%)、福島(36.2%)と東北に集中しているぞ。 いや、こうなったら喫煙率世界一、51.1%のトルコに行くしかない。トルコは親日国だしJT製のタバコも数多く販売している。 メキシコ、東北、トルコ…。都会のスズメはいそがしい。
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