626.サ行(2013.7.01掲載)
カーナビが普及し始めた頃、運転者とカーナビのやり取りがよくコントのネタになった。 意志を持ったカーナビに振り回されるストーリーが多かったが、なんと、米国には「最短かつ最も気分を盛り上げてくれる道順を選ぶカーナビ」なる特許が登録されている。 車内でひとりごつ声をマイクが検知し、脈拍やハンドルを握る手のひらの汗をセンサーが検出して運転者の感情を探り出す。これに対応させて、イライラしない通りや賑やかなレストラン街、穏やかな景色をルートに選ぶようナビゲートするらしい。 なるほど。車中で喜怒哀楽を出し過ぎると、あらぬ方向に導かれてしまうな。 それならば、月曜の朝にやる気が出るナビゲートや、プレゼンが成功するようテンションを高めてくれるナビゲートシステムも用意してもらいたい。 できればサ行の発音がきれいな女性の声で。 オーディオマニアは、アイドル歌手のサ行の音で音響システムの善し悪しを判断する。サ行がクリアに伸びるかどうかがポイントらしい。 社員教育の世界でもサ行は大事。 例えば、相手にやる気を出させる7S(7つのサ行)というのがある。「すごい」「さすが」「すてき」「尊敬する」「鋭いね」「その調子」「最高」。この言葉を部下に投げかけてモチベーションを上げ、成果につなげる。 食品の製造現場だと、工場が遵守すべき7Sが定番。「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」「洗浄」「殺菌」。基本中の基本だが、できそうでできない。 おまけ事例。キャバ嬢の社員教育で使う、男を持ち上げるさしすせそ。「さすがですね」「しらなかったぁ」「すご〜い」「セクシーですね」「そうなんですかぁ」。…あぶないあぶない。 どうやらサ行には特別な言霊が宿っているらしい。 さっさと仕事して涼しい席で焼酎を!
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