628.プチ断食(2013.7.15掲載)
長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)を活性化させるため、1日1食に挑戦するという話を周囲で多く耳にするようになった。 おそらくは南雲先生の影響だと思うが、そんな求道者のごとき荒行は自分にはとうてい無理。そこで、ささやかな挑戦として、会食や宴席の予定がある週は、その前日と当日のみ「朝食しか食べない」というプチ断食を取り入れてみることにした。 空腹だからおいしい料理がものすごくおいしくなった。「飢餓状態で栄養を摂取するから太りやすいのでは」と心配してくれる人もいたが、体重は変わらず、体調は格段によくなった。 このようなプチ断食は「間欠的断食」と呼ばれ、最近脚光を浴びている。2日以上の断食を周期的に繰り返したり、週の決まった曜日に1食または2食抜いたりと形式はさまざまだが、おいしい料理を放棄せずして断食の修行感が得られ、結果的に健康になるのだから言うことなし。 科学的データはどうか。ラットを使った実験では、食事と断食を1日交替で繰り返すとカロリー摂取量が総じて少なくなり、カロリー制限を毎日続けたラットと同様に長生きした。 また、マウスに1日8時間高脂肪食を与えても、続く16時間を絶食させると肥満にならず、インスリン濃度も低いままだった。動物も人間も、長生きの個体はインスリン濃度が低い。 まだまだヒトのデータが少ない間欠的断食であり、絶食後の大食いを指摘する減量の専門家もいるが、個人的にはおすすめである。 こんなプチ修行のプチ断食。ひとつだけ問題があるとすれば、空腹で浴びるアルコール。断食後はアルコールが体に染みわたり、速効で千鳥足。ま、少量で酔えて安上がりと考えればこれもメリットか。 自分に都合のいいタイミングで絶食と美食を組み合わせることができるプチ断食。もう少し続けてみようと思うのである。
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