636.プロフェッショナルサラリーマン(2013.9.16掲載)
NHKの看板番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」の締めコメント、「プロフェッショナルとは…」を毎回興味深く見ている。 その道の達人がプロフェッショナルをどう定義するのか。思いを熱く語るのか、はたまた達観して軽く流すのか。 身近なプロに直接聞いた事もある。 プロ野球選手だった同級生兄の回答…「練習がきつくなればなるほど笑顔になるのがプロ。きつい練習が嬉しくてしょうがない野球バカの集団がプロ野球チームだ」。 たまに教えを請うビリヤードプロの回答…「冒険をしないのがプロ。入れる自信がない球は無理に狙わずセーフティー(手玉を隠す事)。スーパーショットを決めても点が倍になる訳じゃない」。 じゃ、我々が取材を受けた場合、サラリーマンのプロをどう定義するべきなのか。ビジネスコンサルの第一人者で、「プロフェッショナルサラリーマン」という造語を生み出した俣野成敏先生の教えを紹介する。 プロは、自分で仕事を「つくって」「回して」「稼ぐ」ことができる人。つまり、工夫して新しい仕事を創出し、頭と体を使ってそれを円滑に動かし、結果を出して会社に貢献すること。 そういったプロを目指すには、仕事を「仕える事」ではなく「仕入れる事」と定義すべし。これで上司と自分が「タテの関係」から「ヨコの関係」になり、仕事をこなすことに楽しみを感じるようになる。 なるほどである。プロ野球選手のごとく、仕事やストレスがきつくなるほど笑顔あふれるサラリーマンバカを目指すか。 ならば、食品業界における商品開発のプロとは。 これには、「売れる商品をつくるのがプロ」という明確な模範解答がある。どんなに美味しくても売れなければ意味がないし、まずくても売れればヒットメーカーになれるのだ。 まあ、この定義ではいつになってもアマチュアのままかもしれない。 少しハードルを下げ、「新商品がコケるほど笑顔になるのがプロ」あたりで手を打とうかと思う次第である。
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