637.まんばのけんちゃん(2013.9.23掲載)
セブンイレブンの四国進出を記念して、あらためて四国4県の個人的おすすめ酒肴を紹介する。 まず香川県は「まんばのけんちゃん」。某リサーチ会社が実施した「食べたい郷土料理アンケート」で香川県2位を獲得したが、ネーミングに惹かれて投票した人も多いのではないか。 万葉+けんちん=まんばのけんちゃん説が有力だが、「高菜の油炒め」というストレートな表現より謎めいていていい。これと「醤油豆」を用意して、岡田酒造の「国粋」を1合。 愛媛県の宇和島地方は伊達政宗公の長男が治めていた関係で、仙台地区との共通項が多い。里芋と鶏肉中心の「いも炊き」は出来秋の定番で、仙台の「いも煮」が転じた鍋料理。 仙台から移住した練り物職人が、宇和海の小魚を利用して作ったのが「じゃこ天」。笹かまぼこは笹型、じゃこ天は小判型。大根おろしが準備できたら成龍酒造の「賀儀屋」を1合。 酒豪県高知は肴も豊富だが、紅葉おろしとポン酢で食べるアナゴの稚魚「のれそれ」は特に盃が進む。ウナギの稚魚は1kg250万円だが、のれそれは1万円くらいでまだ食べられる。 そして、絶品は「ツガニ」。一般名称はモクズガニで上海蟹の親戚みたいなものだが、上海蟹よりはるかに旨い。ツガニに合う酔鯨酒造の「酔鯨」を1合。 最後に徳島県だが、前述の郷土料理アンケートの上位を並べてみると、「たらいうどん」「冷やしそうめん」「そば米雑炊」「焼き餅」「祖谷そば」「太刀魚にぎり寿司」「ぼうぜの姿寿司」…。炭水化物ばかりで酒肴というより締め。だから糖尿病起因死亡率が日本一なのかな。 とすると食べ歩きコースは、香川→愛媛→高知→徳島で締め。これは四国八十八箇所を末尾から巡る「逆打ち」と同じ道程で、難行だが御利益も大きいと言われている。 食い道楽の合間に、札所巡りもおすすめなのである。
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