650.2013年大団円(2013.12.23掲載)
今年一年の総括として、SMBCコンサルティング発表の2013年ヒット商品番付を見た。 東の横綱に鎮座するのは第2次安倍内閣の経済政策「アベノミクス」。われわれ庶民には何の恩恵も感じられなかったが、株価上昇で東証一部上場企業の時価総額は419兆円と昨年の1.6倍に膨らんだ(10月末時点)。期待感のみでここまで上昇するのだから、やはり景気は気だな。 西の横綱の不在を埋めるかのように、両大関には大物が並んだ。まず東が「式年遷宮」で、伊勢神宮が2400億円、出雲大社が285億円の経済効果を生み出した。エジプトのピラミッド建設は雇用創出のための公共事業だったという説があるが、遷宮も然り。ご神体にご足労をおかけして申し訳ない。 西の大関も山岳信仰の象徴である「富士山」。こちらは不動のご神体であるが、世界遺産登録による経済効果は1952億円といわれている。 西の小結にも神様がおわしました。神様仏様稲尾様、1958年日本シリーズ5連投の伝説を生んだ稲尾様の再来、神の子田中将大投手である。神様に負けたのだから、G党としても納得のシーズンだった。 神々しいこれらの上位陣と対峙するかのように、両小結には綿密に計算された食品のヒットが陣取った。東のコンビニコーヒーと西の高級食パンである。 特にセブンイレブンが凄い。コーヒーは発売6ヶ月で1億杯、高級食パンは発売4ヶ月で1500万個を売る大ヒットの圧勝である。おいしいコーヒーもおいしい食パンもそれぞれの専門店に行けば食べられるが、全国のコンビニで手に入る気軽さが新しい価値を生み出したのである。 こんなイノベーション、メーカーとして取り組めたらすごいだろうな。 コンビニで気軽に高級だし、なんてどうだろう。コーヒー豆を挽くように「だしディスペンサー」でかつお節を削り、だしを抽出する。 削りたての香りが全国に広がることを夢見て、2013年大団円とさせていただきます。
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